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主治医がふたり

 ナツが今の市民病院に転院するまでお世話になっていた病院では、ナツには主治医の先生がふたりおられました。理由はこうです。その病院の小児科部長のA先生は県内で3名しかいないIDDMの専門医です。それで、その先生宛に紹介状を書いてもらい、その病院へと向かったのですが、ちょうどその先生の下に臨床研修を終え、正式に小児科に配属が決まった若い先生がついておられたのです。

 今思えば、滅多にでないIDDM患者を初診から診ることができるなんて千載一遇のチャンスだったのでしょう。勉強のため…と思われたのかそのA先生はナツの担当にB先生をつけられたのです。 ちょっとかわいそうなのはナツです。最初に点滴の針を刺すのはいつもB先生の役目。どうしても血管にうまく入らないとA先生登場。これも未来ある小児科医の育成と経験のためには、やむをえないのでしょうか。

 ダンディでおしゃれなA先生と対照的にこのB先生、髪はいつもぼさぼさで、なで肩の白衣はよれっとしていて、でもなぜか憎めない、ほおって置けないというタイプ。ナツは入院初日にわたしが入院の用意を取りに家に帰っている2時間を、折り紙しながらお相手してくれたこのB先生が意外とお気に入り。

 インスりンの種類を決めたり、わたしたち患者家族に説明するのは、やはりA先生の役目。実際に単位や補食量を決めて指示するのはB先生。ふたりの先生がかわりばんこに病室を覗いてくれたので、おかげで母はお昼寝もできない^^;

 インスリンの打ち方を説明してくれた時のB先生の振り方が何とももたついていて、A先生に怒られながらでした。しかもデミペンを2回も床に落とす。でもナツが地元のお祭りをどうしても見たいと言って泣いていたら、出張中のA先生には内緒で外出許可を出してくれました。入院6日目のことです。今考えたら恐ろしい…何事もなくてよかったです。

 夜中にも血糖測定をしないといけなくなって、

「お母さん、目覚ましとかセットして3時に測ってください」とB先生。

(え~~~っ、夜中に起きないといけないの)とわたし。

横からベテランの看護士さんがすかさず、

「夜間の測定は看護士がしますから、お母さんは休んでもらっていいです。測定器だけ出しておいてください」内心ほっ^^;

先生もしかして看護士さんが怖いのかも…

退院してからも担当はB先生だったので、この病院の小児科が閉鎖されると聞いたとき、じゃあ一体ナツはどっちの先生について行ったらいいのって心配でした。結局A先生の指示で今の転任先の病院へきました。最後の6月の外来では少ししんみりしてしまいました。

「B先生、いつまでも患者の気持に近いままの先生でいてくださいね。」って言いたかったけど、A先生もおられたのでいつもどおりに診察が終わりました。

最近になってわたしの実家のK市の市民病院の医師一覧表の中にB先生の名前を見つけました。NICUを持つ大きな病院の小児科です。IDDMの子どもさんも何人か通っておられます。一度会ってみようかとナツとたくらんでいます。少しはお医者さんらしくなられたでしょうか。ナツのこと覚えていてくださるでしょうか。なんせ初めて担当したIDDM患者はナツですものね。

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