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「あの日」から12年

 早いものです。「あの日」から今日で12年が過ぎました。ほんの一瞬の地震が多くの人の命を奪い、そして多くの人の人生を変えてしまった。実はわたしもその人生が変わったひとりです。平成7年の1月に地震が起き、その年の10月にわたしは結婚しました。会社の先輩や上司からは、「あの地震がなかったら、○○ちゃんは結婚していなかったよね、きっと。今でもこの会社で働いていたかも」と言われています。ハイ、否定はしません。

だからあの地震がなかったら、ナツのお母さんになっていなかったかも。当然IDDMという言葉も知らずに、今頃何をしているのでしょう。そう思うと人生ってつくづく不思議なものだなぁって思うのです。

「あの日」まで、わたしは小さな旅行会社のカウンター業務をしていました。三宮の駅の中に事務所がありました。大好きな神戸の町でわたしにとっては天職と思える仕事に就けて、毎日がすごくすごく楽しかった。気がつくと適齢期という年齢を超えて、その頃から段々仕事もつまらなく思えていました。待遇のこと、お給料のこと、人間関係、将来のこと、煮詰まっていました。ストレスから色々病気にもなりました。

それでも結婚相手が見つからない以上、会社を辞める勇気もなく、マンネリの中で生きていました。そんな中での地震。前日まで働いていたビルは4階部分がぺっちゃんこにつぶれ、見るも無残な有様。電車も止まり、職場も失い、その日からどこにも行けずに家で過ごしました。そしてあの日から2週間後、正社員という立場ではなかったわたしには、解雇の通知がたった1本の電話でありました。

涙も出なかった。でもその時、少しだけホッとしたのです。これでやっと新しい一歩が踏み出せるんだって思いました。それから通信教育で始めていた医療事務の勉強をやり終えて、一応資格も取りました。平行して、レセプトのパソコン業務を習える学校にも通いました。とにかく親のすねをかじっているわけにもいかず、何とか収入を得ようと必死でした。

そんな3月の初めに、人を介して今の主人と知り合いました。結婚ってタイミングだと思うのです。もし仕事が楽しくて仕方がないときに出会っていたら、結婚に踏み切れたかどうかはわからない。ちょうど自分の人生を見つめなおす時に出会えたということが、タイミングがよかったということかもしれません。地震を経験したことで、誰しも人生って?家族って?っていう問いを自分自身に問いかけていたのかもしれません。だってもしあの地震が昼間に起こっていたら、今頃わたしは死んでいたかもしれない。電車に乗っていたら…、そう考えるとぞっとします。生かされている、家がある、水が出る、電気がともる、そして家族がいる、そんな当たり前の幸せに目を向けさせられるきっかけになりました。

地震の後、電車が通りだすと何度か神戸にも足を運びました。実は主人も神戸に会社があったので、6時に待ち合わせをしてよく食事もしました。瓦礫の町、火事の後、あちこちにお花が供えられている道、そういうものを目の当たりにしながら、いろいろなことを考えました。

「座りたいとは言わないけれど、せめて電車の中で新聞が広げられるぐらいのスペースが欲しいな」付き合っていた頃、超満員電車での通勤に疲れていた主人が言いました。

「働ける職場があるうちが華よ。満員電車でも行ける会社があるだけいいじゃない。わたしなんてもう行きたくても行く会社もないもん」

そんな会話をしたことをなぜか変にはっきり覚えています。それまでわたしには居場所があった、これでも会社では頼りにされていた、顧客もたくさん持っていた。でもそれもこれも地震で職を失うと同時に失ってしまった。会社の人が色々電話で仕事の事を毎日のように聞いてきました。でも、段々と日にちが経つにつれそれも必要なくなっていったのです。自分が誰からも必要をされていない、そんなむなしさを感じていました。そんな中でこの人は、そして新しい家族はわたしを必要としてくれる、そんな家族を持ちたいという気持ちが結婚に踏み切らせてくれました。

あれから12年、母として、娘として妻として必要とされているわたしがいます。自分の居場所があるということに決して甘えないで、精一杯生きていきたいなってそんなことを考えた震災記念日でした。

震災を知らない子どもたち、「今日、学校でね。2回も黙祷させられたんだよ」って言いながら帰ってきました。2日続きで高かったナツの血糖はやっと226と普段の血糖に戻りました。

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