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ひとり暮らしのおじいちゃん

わたしたちの市では、ひとり暮らしの高齢の方が誕生月に花のプレゼントをもらえるという制度があります。主催は市の『社会福祉協議会』、協力が市の『子ども会連合会』ということで、同じ町内の子どもがその花のお届けをするのです。

実は今年は子ども会の会長を引き受けていて、この花が我が家に届くことになっています。それに子どもの手紙を添えて、ひとり暮らしのおじいちゃん、おばあちゃんのお家に届け、可能なら子どもとのふれあいの時間を持ちましょう、そして子どもたちはその経験を感想文にして市の方に報告するというシステムです。

その最初の分が先週末に届きました。(年間で対象者は5人です。)

6月に誕生日を迎えるあるおじいちゃんの所に鉢植えの花(かなり高そう)と子どもに手紙を書かせ,それを持っていきました。

実はこのおじいちゃん、ちょっと変わり者で通っています。7時過ぎに行ってみると留守でした。「留守のおうちには置いて帰ったらいいのよ、気になるなら後でちゃんと受け取ってもらえたか見に行けば…」って今までの会長さんから聞いていたので、そのとおり置いて帰ってきました。

そして8時過ぎに電話を入れると、

花なんかいらんのに、わしは百姓や、花なんかいらん。どうせもらってもからすだけや。もう来年から持ってこんでいい、死ぬまで持ってこんでいいからな」

ただただ受話器のこちらで頭を下げて「すみませんでした」と謝るしかありませんでした。そして子どもたちがこのセリフを聞かなくてよかった。もしあの時、留守でなくいらっしゃったら子どもにもこういう言葉を浴びせるのだろうか。

ナツとユウにお手紙書いてって頼んだら張り切って書いてくれました。同じ町内といっても見たことも会ったこともないおじいちゃんです。

「なんて書いたらいいんだろう。『元気で長生きしてね』って書いたらいいの」

うう~~~~~ん。わたしはよく使われるこの『長生きしてね』という言葉が実はあまり好きではありません。『頑張ってね』という言葉と同じような感覚で誰にでも使っていい言葉とは思えないからです。

ナツは「暑くなるので身体に気をつけてください」と書き、ユウは「僕は自然がいっぱいのこの町が大好きです」と書きました。

この子どもたちの手紙もくずかご行きになったのでしょうか。なんともたまらない気持ちです。そしてふと思いました。もし実父が生きていて、こういう体験をしたら、喜んで受け取っただろうか。そのおじいちゃんには子どもも孫もなく、奥さんはかなり以前にガンで長患いの末に亡くなられたとか…。

実父も気難しい時がありました。体調の悪い時なら、見ず知らずの子どもの手紙、欲しくもない花、喜ぶとは思えません。もちろんそういう人ばかりではないはず。この日を心待ちにして暮らすお年よりもおられるかもしれません。

でも高齢の一人暮らし、決して穏やかな生活ばかりではないはず。それに淋しいでしょうから花をあげましょう、子どもを行かせましょう、癒しになるでしょうという行政の考え方。ちょっと甘いと思うのです。両親のことで、老後を迎えるという現実をまのあたりにしてわたしが感じたことです。施設で暮らすお年寄りの生活を見て感じてきたことです。

市の方への報告の手紙にはわたしがありのままを書いて、この制度、もう一度考えられたらどうでしょうと書きました。

さぁ来年、この方のところに花は来るのでしょうか、来年の会長にはこのことをしっかり引き継いでおこうと思いました。

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「母の独り言」カテゴリの記事

コメント

なっちゃんママさん こんにちは~

さすが! なっちゃんママさん!! 市へ、想いを 報告したのですね。
 こういう 町内の行事 役員を任せられ あたらずさわらずで自分の任務さえ終わればいいと思っている方 きっと多いことと思います。


 そして、独居高齢者と普段接している私が思うこと。。。
 確かに 高齢者はこうだ! と、ひとくくりにしてしまうことは 大きな間違いであって、子供が嫌いな方・精神的に誰とも会いたくない方 花を育てるのが面倒な方・・・人それぞれですよね。
 だけど、子供に手紙つきの花をもらって嬉しい方もたくさんいるわけで・・・ なので、子供の訪問OKかどうかを 予め 把握しておくといいですよね。
独居高齢者だと、民生委員さんやふれあい配達弁当の方が ある程度 どんな方かわかっているんじゃないのかなぁ~   
 なかなか そうもいかないのかなぁ。

理想と現実に いつも戸惑う 私です。。。


 それと、うんうん!
「長生きしてね」って 時に 相手を苦しめますよね。。 私は仕事で書く お誕生日カードへは、「どうぞこれからもご自分のペースで生活されてください。」と書きます。

投稿: keiko | 2007年6月 6日 (水) 13時39分

keikoさんへ★さっすがぁkeikoさん。「ご自分のペースで…」いい言葉ですね。
そうでしょう、そうでしょう。多分keikoさんなら、わたしの気持ちわかってもらえると思っていました。
高齢者ってこういうもんだろうみたいな、行政の考え方、あえて言わせてもらうと傲慢さ、どうかと思うのです。
子ども嫌いのお年よりは意外と多いですよね。しかも孫がいる人ならいざ知らず。
実はわたしの父もナツのことは、目に入れても痛くないほどのかわいがり方でしたが、ユウとは相性が合わず、というか男の子が嫌いみたいで^^;
歳をとればとるほど、わがままになる方も多いですよね。
後の4人の方には、前もって連絡してから伺おうと思いました。そして「そんなもん、いらん」って言われたら、公民館か学校にでもお花を置かせてもらうほうが、ずっといいですもんね。

投稿: なっちゃんママ | 2007年6月 6日 (水) 13時52分

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